■心臓大血管の再手術について


 普通の人は、心臓の手術など一生無縁のものであって欲しいと願います。ましてや2回、3回など考えられないでしょう。しかし、現実には2回、3回と心臓大血管の手術が必要になる状況がそれほど稀ではなくあります。
 数ヶ月の間隔から数十年の間隔までさまざまです。また、同じ部位、同じ病気の再手術から、心臓大血管でも違う病気に対する手術の場合も一般的に「再手術」と言います。

・人工弁に何らかの支障をきたして取り替えなければならない例
・冠動脈バイパス術後、今度は弁膜症が悪化して手術をする例
・冠動脈バイパス術後、あるいは弁膜症術後に大動脈解離を生じた例
・上行大動脈置換術後に弓部大動脈置換を行う例

などなど…。再手術の特徴は

・再手術が必要な状態自体がそもそも重篤であるということ
・「癒着」という現象が起きており、それを綿密に剥がしていかなければならない。したがって手術は難しく、心臓大血管を傷つけるリスクも高くなる。

 このように再手術というのは心臓血管外科の中でも上級以上の部類に入ります。