最近、進歩が著しい補助人工心臓についてまとめてみました。

人工心臓

補助人工心臓と完全置換型人工心臓

 人工心臓には「補助人工心臓」と「完全置換型人工心臓」があります。
補助人工心臓は自分の心臓を残したまま、左室、または右室の機能を補助をするために心臓に装着する機器です。
完全置換型人工心臓は、自分の心臓を取り去り、そこに埋め込む機器です。
よって完全に心臓の代用となるため、右室、左室、弁膜などの複雑な構造を持ちます。

 <完全置換型人工心臓の一例>

 いずれも、薬剤やその他の外科治療では手に負えない重症心不全患者に装着され、ほとんどの患者は心臓移植の対象にもなっています。
したがって移植までの「橋渡し」としての役割が大きくなります。
 これを「Bridge to transplantation」と言います。

 一方で埋込型補助人工心臓の進歩と移植ドナー(臓器提供者)の不足から、その役割に変化が見られ、最近では長期在宅治療として位置づけられることが多くなってきました。
 必ずしも移植を前提としない治療ということです。
 これは「Destination therapy」と呼ばれています。

 次に、補助人工心臓についてもう少し詳しく説明します。>>次へ