「低侵襲弁膜症手術」について解説します。
2000年代初頭、冠動脈バイパス手術の「オフポンプ法」が定着した後に「低侵襲ムーブメント」は大血管、そして弁膜症へと広がりました。
大血管に関してはステントグラフトの開発がそれに該当します。
ここでは弁膜症の低侵襲手術についてその一部を紹介します。
まず僧帽弁の手術では、右の胸を小さく切って僧帽弁形成術をする方法が開発されています。人工心肺を使用しなければならないため、首と足の付け根から管が挿入されます(左図)。多くは心臓を止めて手術を行います。この方法の最大の利点は胸骨正中切開を行わないことです。術後の疼痛軽減、美容的優位性があり、また胸骨感染はゼロになります。一方で、狭い空間で特殊な器具を使用して手技を行うため、心臓外科医にとってはそれ相応の「訓練」が必要になります。一施設の症例数が欧米に比べはるかに少ない日本では、その「訓練」をどのように受けていくかがひとつの課題になります。
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