■新しい抗凝固薬について

 最近、ワーファリンに代わる新しい抗凝固薬が開発され、日本でも発売が開始されました。一般名がDabigatran(ダビガトラン)という薬です。

 この薬はワーファリンと異なり、血液中に直接作用するため、短時間で効果が表れます。同様に短時間で効果が薄れます。よって1日2回の内服が必要です。最大の特徴は効果が安定していることで、ワーファリンのように定期的な血液検査による管理の必要がないことです。また食事による影響もわずかだということです。他の薬剤の影響も少ないそうです。

 これまでに日本を含む多くの国が参加した大規模な調査結果が発表され、心房細動患者の脳卒中や全身塞栓症の予防薬として有用である結果が示されました。特に出血の合併症はワーファリンより少ないという、将来が期待できる結果も出ています。ただし人工弁置換術後の抗凝固療法として認知されるかは、まだまだ先の話です。

 →ワーファリンについて